一般社団法人全日本防災計画協会ブログ

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避難所で困ったこと~女性編~

女性特有の悩みは周りに相談しにくく、どうしても1人で抱え込みストレスになりやすいです。これまでにあった避難所生活の中の声では、「避難所の運営が男性だけに任された場合などに女性の意見が取り入れられなかった」「いい出しにくかった」などという意見がありました。

1.避難所で困ったこと

1-1.生理用品がない

ある避難所では、女性用品を支給されたが1人に1セットずつでした。これは月1回の生理を前提として支給されたようですが、実際には困っていた女性がいました。その女性は経血量が多いために、支給された生理用品では足りなかったのです。そもそも経血の量には個人差があります。生理用品が足りない状況でも、周りに遠慮してしまい追加でもらいにくい状況もあったそうです。このような女性のいた避難所がある一方では、逆に配布場所で「早い者勝ちの」状況がうまれていた避難所もあったようです。

1-2.下着がない、干せない

ある避難所では、避難所に届く支援物資に数種類のサイズの下着がありました。しかし、段ボール箱の中にはサイズがバラバラに入っていて、そんな中から自分にあったサイズの下着を探すのには抵抗があったという女性もいました。特に若い女性は手を伸ばしづらそうだったそうです。この避難所は男性主体で運営されていた避難所だったよそうで、細かい配慮が行き届いていなかったようです。せっかく支援物資として下着が届いたとしても、もらいにいけない女性もいたそうです。

1-3.着替えがしにくい(間仕切り・更衣室がない)

多くの避難所ではプライベートな空間はほぼありません。全て周りの人に見える環境です。ある避難所では、発災から2ヶ月経つまで女性用の更衣室がなかったそうで、女性の人たちは汚れたお手洗で着替えるしかありませんでした。汚いトイレでとても毎日着替える気にはなれず、下着さえも毎日交換できずに生理用品を使用している方もいました。

 

2.体と心のキズ

避難所では多くの洗濯物が干されている中で女性の下着は1つもない光景がみられます。例え物資があったとしても、心おきなく使えない状況でもありました。下着を毎日交換できないのでナプキンを使用し続けた為に外陰炎を起こした人、さらにひどい人では出血する人もいました。更衣室がないので着替える際にバスタオルで隠しながら着替えていた女性の中には、そのときの記憶がトラウマとなり、避難生活後も裸になるのが怖いという人もいました。東日本大震災では、たくさんの報道がされた中に、このような女性特有の悩みが震災直後には、ほとんど聞こえてこなかったのではないでしょうか。被災した若い女性はマスクを使用していた人が多かったのです。眉毛もない状態の女性に取材カメラが向けられるのがためらわれたこともあったそうです。

 

3.今からできる対策方法

3-1.月経カップ

月経カップとは、膣の中に装着するカップのことです。シリコン製なので、洗って繰り返し使えます。小さくて繰り返し使えるので、荷物がかさばらず持ち運びやすく、さらに臭いも気にならないと言われています。タンポン約3~4本分の経血を受け止めることができ、最長12時間連続使用が可能なのでトイレに行く回数も減らすことが可能です。注意点としては、繰り返し使うことが可能ですが交換時に水で洗う必要があります。災害中、水道が止まってしまった場合には使用するのが少し難しいかもしれませんが、ウェットティッシュや清浄綿などがあるとシリコン製のカップなので、拭いて使用することができます。慣れるまでに少し時間がかかる人もいますので、日頃練習しておくと緊急時に役立ちます。月経カップは、薄型・厚め・普通の日用・多い日用などの選択肢はないので、経血量・出産経験の有無をベースに自分のニーズに合ったものを選んで下さい。

 

3-2.手作りナプキンの作り方

ハンカチ・ビニール袋を使用します。

ハンカチが無ければ、Tシャツや大きめのタオルなどをハンカチ程の大きさに切ってください。大きさは20~25㎝程度で、Tシャツを利用する場合は薄手なので3枚程度、生地が重なるようにしてください。

(1)2セット作ります。(※ここでは分かりやすくするために、色の違うハンカチを使用しています)

(2)切った生地の1つを、三つ折りにします。

(3)ビニール袋を、先程の三つ折りにした状態の生地と同じくらいの大きさに切ります。

(4)(3)で切ったビニール袋を、(1)で切った生地の中央に置き、ビニール袋を包むように3つ折りにします。(ガムテープなどがあれば、尚良い)☆経血が漏れないようにビニール袋を包んでいます。

(5)三つ折りにした布が2つできます。

(6)ビニールを中に入れて3つ折りした布を下側、もう一方を上側に重ね、ショーツの上にのせると生理用ナプキンの代用になります。

 

経血量が少ない場合には上側にした布を一度開いてキレイな面に入れ替えるともう一度使用できます。

3-2.手作りナプキンの作り方
3-2.手作りナプキンの作り方
3-2.手作りナプキンの作り方
3-2.手作りナプキンの作り方

3-3.マスクの作り方

キッチンペーパー・輪ゴム4本・ホッチキスを使用します。(キッチンペーパーがない場合にはペーパータオルでも可能です。)

(1)輪ゴムを2ずつ結んで下さい。

(2)キッチンペーパーを中心に向かって折ります。

(3)中心から外側に折ります。

(4)(3)のキッチンペーパーを裏返し、中心に向かって折ります。

(5)さらに中心に向かって折り、左右の端を折ります。

(6)折ったところに輪ゴムを引っ掛けてホッチキスで留めて固定します。

一般社団法人全日本防災計画協会

黒田尚寛

阪神大震災に被災した方の話を聞くにつれて、地震のあまりに大きい被害を知りました。
また、その反面、人々が協力し合って、災害を乗り越えた話を聞き、心強さも感じました。
これから起こりうる自然災害からたくさんの人を助けたい、そう強く考えております。
その為に自分は何が出来るのか、日々模索し、鍛錬を積んでいきたいと考えております。

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