災害と土地には深い関係があります。地震の揺れでの建物の被害は地盤の強さの違いでも差がでてくるのです。2011年の東日本大震災では、住宅の地盤沈下や隆起が多くありました。みなさんはご自身の住んでいる土地の地盤の強さをご存じでしょうか。今回は、地盤の強さを知る方法のご紹介です。
地盤の種類の定義(建築基準法告示)
<第1種地盤>
硬質砂れき層、岩盤などで構成される良好な洪積地盤で、硬い地盤で「良好地盤」と言われています。
<第2種地盤>
第1種と第3種地盤以外のもので普通の地盤です。
<第3種地盤>
腐葉土、泥土などで大部分が構成される軟弱な沖積地盤で、軟弱地盤と言われています。
地盤の強さを知るには、専門家と大掛かりな機材を使って調べる必要があるので、費用がかかります。簡単に調べる方法として以下の方法があります。
地名の漢字から地盤の強さをおおよそ予測することができます。
海沿いや低地の埋め立て地の場合は、「津波・洪水・液状化」、山地開拓地では「がけ崩れ・土砂災害」の可能性があります。
1.「低地、農耕地、水」に関する地名や水辺の植物や生き物の名前が付いている地名は軟弱地盤の可能性が高いと言われています。
「低・下・久保・窪・溝・沢・谷・田・野・新開・原・稲・泥・川・河・海・池・沼・津・浜・砂・芦・萩、井草・菅・浦・蓮・柳・葦」の漢字を地名に持つ土地。
また、「梅・新」の漢字を地名に持つ土地は、埋め立て地が多く軟弱なだけでなく液状化も懸念されます。
2.「高地、台地、山」に関する地名は良好地盤の可能性が高いと言われています。
「高・台・岡・丘・上・山・峰・岳・森・林・根・滝・竹・速水・杉・猿・鶴・鷹・龍」の漢字を地名に持つ土地。
図書館にある郷土資料の「地名の変遷」についての資料から、古い地名を知る事が出来ます。
また、明治・大正時代の「地籍図」や地籍図の復刻版がある場合にはよりはっきりと旧地名を調べたいときに便利です。
地盤の状態を手軽に知ることができるサイトもあります。
「国土交通省ハザードマップポータルサイト」や、「地震マップ」と検索してください。
建物の種類(木造・鉄筋コンクリート造りなど)によって、同じ揺れでも揺れの感じ方が変わります。
住宅の購入をする場合に地盤の強さに注目することも大切ですが、現在の住まいでの対策(転倒防止など)も行うように気を付けましょう。
・「わがまちハザードマップ」(国土交通省)(https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/bousaimap/index.html?code=1)
・「地盤情報の検索」(国土地盤情報検索サイトKuniJiban)(http://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/terms.html)