大規模災害に被災した場合、収入面にも大きな影響を及ぼします。
企業に勤めている方、中小企業の経営者にとっては収入が途絶える可能性もあります。
そのような場合に備えてどのような対策があるのでしょうか。
個人でできる対策として、①労災保険の適用、②失業給付金、③未払い賃金立替制度の3つがあります。
けがをして働くことが出来なくなった場合には労災保険の請求が出来る可能性があります。申請を検討する場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
勤務先が被災して災害後も存続はしているものの、経営上の判断等から解雇された場合には失業給付金が下りる可能性があります。申請を検討する場合は、ハローワークに相談しましょう。
万が一、勤務先が被災して倒産した場合などで、賃金がまだ支払われていない時には、国から賃金を立替払いしてもらえる「未払賃金立て替え制度」があります。支払われる額は、未払いとなっている対象の金額の8割が基準です。仮に勤務先が倒産していなくても、事業再開の見込がないと判断される場合は、「事実上の倒産」として、この制度が適用される場合もあります。申請を検討する場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
中小企業の経営者にとって事業を再建するには、当面の資金繰りを考える必要があると思います。その方法として、復旧整備字補助事業(グループ補助金)と融資による資金調達があります。
中小企業の再建については、中小企業等グループ施設など復旧整備補助事業(グループ補助金)という制度があります。東日本大震災から特例措置として適用されたもので、適用範囲が都道府県の裁量下にあるものですが、その後に発生している熊本地震、西日本豪雨でも適用実績があります。申請する場合は、被災した2社以上のグループで復興事業計画を策定します。その計画が都道府県の認定を受けると、施設などの復旧費用の最大4分の3が補助されます。
融資を受けて資金を調達するという方法もあります。融資には、被災地の経済復興を目的とした制度が存在します。例えば、日本政策金融公庫では、災害の直接間接被害(災害による風評被害を含む)に対する融資制度を設けています。また、信用保証協会では、通常より有利な条件で保証される融資の商品が販売されることがあります。いざという時のために、日本政策金融公庫やメインバンク、中小企業庁、税理士などから幅広く情報を得るようにしておきましょう。
収入が途絶えた状態では、生活への支障だけでなく、精神的負担にもつながる可能性があります。少しでも負担を軽減する為にも、様々な制度を知っておくようにしましょう。