- 地震に被災した直後の行動
一般社団法人全日本防災計画協会
黒田尚寛
一般社団法人全日本防災計画協会
黒田尚寛
災害発生後、冷静に対応する為に、関係者だけではなく一般市民(被災者・非被災者に関わらず)もどのような支援体制があるかを把握しておく必要があります。被災者は知覚したサポートが多ければ、ストレス反応が低くなる傾向があることから、心身の健康状態にも影響を及ぼしうる事象です。ここでは、発災後に支援に当たる組織や活動について紹介します
Contents
災害発生後、様々な組織が支援に駆け付けます。具体的にどのような組織があるのか、その代表例を紹介し、それぞれの組織がどのように活動しているかについてみていきます。
主な支援組織は以下の通りです。
(1)行政
(2)医療機関
(3)社会福祉協議会
(4)NPO
(5)ボランティア
組織ごとの活動内容を紹介します。
(1)行政
・活動内容
→被災状況等に関する情報収集・情報発信
→災害対策本部の設置・運営
→応援要請
→被災者支援
→支援活動をする組織や団体等の活動環境整備
(2)医療機関
・役割
→災害によって負傷した人達の手当てや治療
(3)社会福祉協議会
・役割
→ボランティア活動に関する行政、関係機関等との連絡調整
→被災者ニーズの把握、被災世帯調査
→ボランティアの募集、マネジメント
→ボランティア活動支援(受付、オリエンテーション、活動調整、安全・健康管理)
→様々な支援活動・支援への資源などの調整(資器材の調達等)
→情報発信(被災者への支援活動の告知、マスコミ対応)
→ボランティア活動にかかわる事務(ボランティア活動保険加入、高速道路無料化など)
(4)NPO
→行政や企業では扱いにくい社会的ニーズの高い活動を行うことが出来る
→地元に根付いたNPOの場合、迅速な被災地での活動が可能
(5)ボランティア
1.一般ボランティア
→経験値は様々
→一部の社会的マナーの欠如からトラブルを生む事例もあった
2.専門ボランティア
→看護師、作業療法士、理学療法士、外国語の通訳、弁護士などの専門知識・技術を活かして活動している。
ボランティアは被災地に駆けつけるのみでは、上手く統制を取ることが出来ず、非効率な活動になる可能性が高い。そこで、大半の場合は災害ボランティアセンター、NPO等に従事して活動に参加している。
災害時の支援組織によって、得意不得意分野が存在します。それぞれの組織が個別的ではなく、それぞれが補完しあいながら活動すると、より被災者に行き届いた支援が出来るのではないでしょうか。